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いのくり勉強部屋

便秘

2024.02.01

皆さんこんにちは

井上クリニック副院長の辰巳です。

 

今回は便秘についてお話ししようと思います。

便秘は大腸癌の初期症状であったり、また通常の便秘も重度になると腸が破裂し危険になることもあります。

単なる便秘と思っていると大変な病気が隠れていることもあるので便秘についてしっかり理解しておきましょう。

 

何日で出ないと便秘?

 

便秘について何日出なければ異常かという明確な決まりはありません。

 

目安は3日と言われますが、個人差があり4日以上便が出なくても、出たあとに不快感なくすっきりしていれば問題ありません。

逆に毎日出ていてもすっきりせず不快感があれば便秘と言えます。

 

便秘の分類

 

便秘は様々な原因で生じます。

大きく分けて

  • 器質性便秘
  • 機能性便秘
に分類できます。
その他に、糖尿病、パーキンソン病、甲状腺機能低下症などの疾患に伴う症候性便秘
向精神薬、抗コリン作用のある薬による薬剤性便秘などがあります。

 

器質性便秘

 

大腸の形態や粘膜に何らかの病変があるために便の通過が困難となって便秘となります。

原因となる疾患には大腸癌などの腫瘍性病変、

クローン病などの炎症性腸疾患による腸管狭窄、

腹部手術後の腸管癒着による腸閉塞などがあります。

 

大腸癌は40歳ごろから罹患率が増加していきます。また大腸癌は大腸ポリープから発生することも多く、ポリープを切除することで大腸癌を事前に防ぐことができます。

クローン病などはまれな疾患ですが、10代~20代の若年の方に多く便秘以外に下痢、血便なども認め、早期に発見し治療しなければ手術なども必要となることがあります。

 

 

機能性便秘

 

腸自体の病気や形態に問題はなく、腸の機能の低下による便秘です。

機能性便秘にはさらに弛緩性、けいれん性、直腸性に分けられます。

 

弛緩性便秘

 

腸の蠕動が弱くなり便を押し出す力が弱くなり便が進まなくなることで生じる最も一般的な便秘です。

運動不足や腹筋の低下などが原因です。

便が長時間滞留し水分が過剰に吸収され硬い便となるのが特徴で水分不足や繊維不足も原因と言われております。

 

けいれん性便秘

 

精神的ストレスや環境の変化により自律神経が副交感神経優位となり、腸管が緊張状態で便がスムーズに運ばれず便秘となります。

コロコロとしたうさぎのフンのような便が出ることが多くあります。

 

直腸性便秘

 

便は直腸にたまると直腸壁を刺激し排便反射により便意を催します。

この反射が弱り便意を催さず便が滞留し便秘となります。高齢者や寝たきりの方や排便を我慢する習慣のある方に多い便秘です。

 

 

機能性便はよくある便秘ですが、重度の便秘の場合には腸に穴が開く穿孔や腸管から細菌が血液内に侵入し敗血症などとなり命に係わることもあります。

食事や運動、生活環境の改善や便秘のタイプに合わせてた下剤を内服することで改善します。

 

検査

大腸の検査には便検査(便潜血)、注腸検査(レントゲン)、大腸カメラなどがあります。

 

便潜血

 

便に血が混じっているかどうかを調べる検査です。

大腸癌やポリープでは必ず血が出るわけではなく、陰性であっても大腸癌がないとは言い切れません。痔などでも陽性となるため、陽性であれば大腸カメラが必要となります。検診などで多くの人に行うスクリーニングとして使われます。

 

 

注腸検査

 

肛門からバリウムなどの造影剤と空気を注入しレントゲンで見る検査です。

腸の中に空気を大量に入れて行うため痛みがあり放射線被爆もあります。腸の形態はわかりますが、病変の性質はわからず、小さな病変や平坦な病変は発見できないこともあります。

また内視鏡のように組織を採取することもできず、現在では注腸検査を行うことは減ってきています。

 

大腸カメラ

 

肛門から内視鏡を挿入し大腸全体を直接観察できる検査です。

組織検査やポリープの切除を行えます。鎮静剤などの投与により痛みも軽減することができます。

 

 

まとめ

  • 便秘は放置すると危険なこともあります。適切な検査や治療が必要です。
  • 便秘やその他下痢、血便などがあればまずは大腸カメラをすることをお勧めします。
  • 大腸癌は40歳ごろから徐々に罹患率が増加していきます。
  • 症状がなくても、40歳を超えれば一度内視鏡をしてみてください。
  • 大腸癌やポリープは早期発見、早期治療が最も重要です。

 

今回は便秘についてお話ししました。このような症状があればいつでもご相談ください。

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